ソンクブック 

写真評論家として知られる飯沢耕太郎さんの
5作目となる詩集。

「詩を書くきっかけとして、
音楽がかなり重要な役目を果たしている。
それなら、詩と好きな曲とを結びつけて、
集中して書いてみようと思った」

やってみて、気づいたことがあると飯沢さん。

「音楽を聴くときには、まず音が耳に入ってくる。
歌詞のある唄でも、意味が音に変換されてこちらに届く。
その経験を詩に置き換えるときには、
普段よりも、音の響きや色合いやテクスチャーに
より敏感にならざるを得ない。
音楽はコトバよりも抽象的で普遍的だ。
コトバを使うと、どうしても具体的な意味に則して
記述しなければならなくなる。
その縛りをどれだけ外せるか、
コトバで音楽にどこまで近づけるのか、
という実践の成果が、本書におさめた詩群である」

音楽はビル・エヴァンス・トリオ
『ポートレイト・イン・ジャズ』全曲を中心に、
ザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、
松任谷由実など時代もジャンルもさまざま。
巻末にはそれらの曲のバックグラウンドを記した
ライナー・ノーツを収録。
詩を眺め、楽曲のことを知り、また詩に戻る、
そんな楽しみ方ができる一冊です。

サイトウマサミツさんが飯沢さんの詩を読み、
浮かんだイメージをスケッチ。
音楽と詩が出会い、スケッチが加わって、
それぞれの世界がヴィヴィッドに心に響きます。

著者:飯沢耕太郎
挿絵:サイトウマサミツ
112p A5変形 2400円+税

2025年10月1日発売


リトルギフトブックスの本
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